M575トラックボールのベアリング交換手順|必要パーツと自作DIYガイド
Intro

M575のトラックボールが引っかかる・動きが重いという症状は、内部のルビー製ボール受けをミニチュアベアリングに換装することで根本的に解決できます。
エタノールで掃除しても数日でまた渋くなる、ボールを速く弾いてもすぐ止まってしまう。
この段階まで来ると、原因は汚れではなくルビー支持部の摩耗・変形にあることがほとんどです。
この記事では、M575専用のベアリング換装手順・必要なパーツ・費用・作業リスクを、DIY未経験者でも判断できるよう整理します。
この記事で分かること
・ベアリング換装が必要なタイミングの見分け方
・M575に適合するベアリング・シャフト・接着剤の具体仕様
・分解から取り付けまでの手順の流れ
・換装後の使用感の変化と注意点
・自分でやるべきか、代替製品を買うべきかの判断基準
結論:掃除しても引っかかりが戻らないM575には、==内径2mm×外径5mmのミニチュアベアリング3個で換装==するのが最も費用対効果が高い解決策です(M570/M575 DIY記事群での一致仕様、参照情報源末尾)。
診断段階で「本当に換装が必要か」を確認するため、まず前提となる掃除と症状の切り分けから見ていきます。
Index
Introベアリング換装が必要なタイミング — 掃除で直らない引っかかりの正体M575のベアリング換装に必要なパーツと道具M575の分解手順 — ボール受けにアクセスするまでStep 1: ソールを剥がしてネジを外すStep 2: 上下ハウジングを分離するStep 3: ボール受けユニットを取り出すベアリング取り付け手順 — 精度が命Step 1: 元のルビー球を除去するStep 2: シャフトをベアリングに通して長さを決めるStep 3: エポキシで固定するStep 4: ボールをはめて回転を確認する換装後の使用感と注意点よくある質問Q. M570用のベアリング化キットはM575に使えますか?Q. ベアリング化で保証はどうなりますか?Q. 費用はどれくらいかかりますか?Q. どのくらいの時間で作業できますか?Q. 自作せず既製品を買うならどれが良いですか?まとめ — M575の引っかかりを根本解決するにはRelated ArticlesRecent Posts
ベアリング換装が必要なタイミング — 掃除で直らない引っかかりの正体

このセクションの要点: エタノール清掃を試しても24時間以内に渋さが戻る場合、原因はルビー支持部の摩耗・変形なのでベアリング換装が根本解決になります(DIY記事群の症状事例に基づく判断、参照情報源末尾)。
M575の純正ボール受けは、人工ルビー(コランダム)の球を3点で配置してボールを支える構造です。
長期間使うとルビー表面に微細な摩耗痕ができ、ボールとの接触抵抗が増加します。
この段階では拭き掃除で汚れを落としても引っかかりは戻りません。
診断の目安は次の3つです。
- エタノールと綿棒でボール受けを丁寧に掃除しても翌日には渋さが戻る
- ボールを勢いよく弾いても慣性回転がすぐ止まる
- ボール表面を指で触ってもザラつきがないのに動きが重い
3つとも当てはまるならルビー摩耗が疑われ、換装で改善する可能性が高いです。
逆にどれか1つでも該当しない場合は、まずは掃除で改善するかを試したほうが時間と費用の無駄がありません。
ベアリング化が必要と判断できたら、次はパーツの選定に進みます。
M575のベアリング換装に必要なパーツと道具

このセクションの要点: 内径2mm×外径5mmのミニチュアベアリング3個、2mmシャフト、2液性エポキシ接着剤の3点があれば作業できます(M570/M575 DIY記事群での標準構成、参照情報源末尾)。
M575のボール支持点は3箇所なので、ミニチュアベアリング3個・シャフト材3本・接着剤の3点が最低限必要です(M575分解記事で確認可能な内部構造、参照情報源末尾)。
ベアリングは内径2mm・外径5mmが業界標準サイズで、スチール製とセラミック製の2種類が流通しています。
セラミック製は防錆性が高く手汗の影響を受けにくい一方、価格はスチール製の3〜5倍です(Amazon価格帯調査、2026年8月時点)。
汗をかきやすい環境や長期使用を重視するならセラミック、コスト最優先ならスチールを選びます。
シャフトは直径2mmの真鍮または銅の丸棒を使用します。
長さは切断して調整するので10cm程度あれば3箇所分に十分足ります。
ホームセンターでも扱いがありますが、Amazonで工作用素材として少量購入するのが手軽です。
固定には2液混合のエポキシ系接着剤を使います。
瞬間接着剤(シアノアクリレート系)はプラスチックへの負荷が大きく白化しやすいため避けてください。
エポキシは硬化までの5〜10分で位置を微調整できる仕様のものが主流で、これが作業上のメリットになります(2液性エポキシ接着剤の一般仕様、各社製品ラベル)。
なお、M570用に販売されているベアリング化キットはM575には流用できません。
M575はボール受け部品の形状が変わっており、既存の3Dプリント製アダプター等は現時点でM575専用品がほぼ流通していないため、自作前提の作業になります(各DIYブログの一致情報、2026年8月時点)。
パーツが揃ったら分解に進みます。
M575の分解手順 — ボール受けにアクセスするまで

このセクションの要点: 底面のソールシールを剥がしてネジ4本を外し、上下ハウジングを分離してボール受けユニットを取り出す流れです(M575分解記事、参照情報源末尾)。
M575の分解は底面のソール(滑り止めシール)の下に隠されたネジを外すところから始まります。
ドライヤーの温風でソールを軽く温めてからピンセットや薄いヘラで慎重に剥がすと、糊を残したまま再利用できます。
Step 1: ソールを剥がしてネジを外す
底面の4隅にあるソールをそれぞれ剥がし、内側の精密ドライバー用ネジ(プラスの#0または#00)を外します。
ソールは剥がした順序と向きを覚えておくと、組み立て時にすぐ元通り貼り直せます。
糊が弱くなっている場合は同じサイズの薄手両面テープで補強してから戻してください。
Step 2: 上下ハウジングを分離する
ネジを外したら上下のハウジングをゆっくり開きます。
ボタン基板とメイン基板がフラットケーブルで繋がっているので、無理に引っ張らずケーブルを外すか、開いた状態のまま作業スペースを確保します。
プラスチックのツメで嵌合している箇所もあるため、ヘラを差し込んで少しずつ外していくのが安全です。
Step 3: ボール受けユニットを取り出す
M575のボール受けは基板側に固定されているタイプです(M575分解記事、参照情報源末尾)。
ネジ止めまたは爪嵌合で外れるので、周辺のフレックスケーブルに触れないよう注意しながら取り外します。
ボール受けから既存のルビー球3個の位置と向きを写真に撮っておくと、ベアリング取り付け時の位置決めが正確になります。
分解が完了したら、いよいよベアリング取り付けの本作業に入ります。
ベアリング取り付け手順 — 精度が命

このセクションの要点: 元のルビー球位置を基準に、シャフトを差し込んだベアリングをエポキシで固定します。
飛び出し量の精度がボールの滑らかさを決めるので、ここが作業の肝です。
取り付け作業は「元のルビー球の位置と高さを再現する」ことが全てです。
ここで数十ミクロン単位の誤差があるとボールが浮いたり沈んだりして、換装効果が半減します。
3つのシャフトを同じ高さで垂直に立てるための下準備を丁寧に行ってください。
Step 1: 元のルビー球を除去する
ボール受けから既存のルビー球3個を取り外します(M575のボール支持は3点構造、参照情報源末尾)。
接着されている場合はカッターの刃先で慎重に切り離すか、リューターで削り取ります。
ルビーを取り除いた後の座面を平坦に整えることで、次のベアリング取り付け精度が安定します。
Step 2: シャフトをベアリングに通して長さを決める
2mmの真鍮棒を適切な長さに切断し、ベアリングの内輪に通します。
シャフトの長さはボール受けの座面から出る量が元のルビー球と同じ高さになるよう微調整するのが最重要ポイントです。
長すぎるとボールが浮いて外れやすく、短すぎるとボールが下がって周囲に接触します。
Step 3: エポキシで固定する
エポキシを混合し、シャフトの下端に少量塗って座面に立てます。
5〜10分の可使時間内に3箇所すべてを同じ高さに揃える必要があるので、事前にシャフト3本の長さを揃えておくと作業が楽です(2液性エポキシの一般仕様、各社製品ラベル)。
硬化中はマスキングテープで仮固定して垂直を保ちます。
完全硬化には接着剤の指定時間(多くは24時間)を守ってください(2液性エポキシ接着剤の一般仕様、各社製品ラベル)。
Step 4: ボールをはめて回転を確認する
硬化後にボールを乗せ、指で軽く弾いて滑らかに回転するか確認します。
引っかかりがある場合はシャフトの垂直度が出ていない可能性が高いので、その場所のベアリングを一度剥がしてやり直します。
最初は失敗前提で予備のシャフト材とベアリングを1セット多めに用意しておくのが無難です。
取り付けと硬化が終わったら、いよいよ実際に使ってみて感触の変化を確認する段階です。
換装後の使用感と注意点

このセクションの要点: 慣性回転が大幅に伸び、指の力を抜いてもポインタが目的位置まで滑るようになります。
過敏になるためポインタ速度の再調整がほぼ必ず必要です。
ベアリング化後の最大の変化は「慣性でポインタが伸び続ける」感覚です。
純正ルビーは滑り出しに一定の抵抗があり、それが手の感覚と自然に噛み合っていましたが、ベアリング化後は最初の一振りだけで画面の端まで滑ります。
この変化は快適である一方、Logi Options+等でポインタ速度を1〜2段階下げる調整が必要になることがほとんどです。
慣れるまでの数日は誤クリックが増える場合があるので、細かい選択操作が多いクリエイティブ作業では設定を保守的に始めてください。
もう1点、ベアリング内部のグリスや金属屑を防ぐため、購入後すぐに脱脂洗浄してからドライで使うユーザーもいます。
ただしドライ運用は寿命が短くなる可能性があるので、まずは購入状態のまま試して不満が出たら検討する方が安全です。
自作の難易度が高いと感じる場合は、エレコムISTシリーズ(M-BS10ボール受けユニット)のようにメーカーが公式にベアリング支持ユニットを販売している製品への買い替えも選択肢になります。
ミネベアミツミ製ボールベアリングを採用しており、自作と同等の操作感を工具なしで得られます(エレコム公式、2026年8月時点)。
ここまでの手順を踏まえて、読者から寄せられる代表的な疑問にも先回りで答えておきます。
よくある質問

Q. M570用のベアリング化キットはM575に使えますか?
A. 使えません。
M575はM570とボール受け部品の形状が変わっており、M570用に3Dプリントされたアダプター等はそのまま装着できません(各DIY記事の一致情報、参照情報源末尾)。
M575用の市販キットは現時点でほとんど流通していないため、自作前提の作業になります。
M570の記事を参考にする際は、パーツ寸法(内径2mm×外径5mm等)は共通で使えますが、取り付け位置の設計は自分で行う必要があります。
Q. ベアリング化で保証はどうなりますか?
A. 分解した時点でメーカー保証は対象外になります。
Logicoolの製品保証は改造・分解を修理・交換の対象外としているため、購入後間もない個体や保証期間内の個体はまず販売店・メーカーサポートに相談するのが先です。
保証が切れて修理コストが本体価格を上回る場合や、症状が明確にルビー摩耗と判断できる場合に、自己責任で行う作業と考えてください。
Q. 費用はどれくらいかかりますか?
A. スチールベアリング・真鍮棒・エポキシを新規購入しても合計2,000〜3,000円程度に収まります(Amazon調査、2026年8月時点)。
セラミックベアリングを選ぶ場合は追加で1,500〜2,000円ほど上乗せになります(同、2026年8月時点)。
手持ちにドライバー・ピンセット・カッターがあれば工具の追加購入は不要で、M575本体を買い替えるより大幅に安く済みます。
ただし失敗した場合の予備パーツ代を1,000円ほど別途見ておくと安心です(Amazon価格帯からの概算、2026年8月時点)。
Q. どのくらいの時間で作業できますか?
A. 初めての場合、分解30分・パーツ加工30分・接着と硬化待ちを含めて実作業2〜3時間、完全硬化を待つと翌日完成というスケジュールが現実的です(筆者実測ベース、2液性エポキシの一般硬化時間を含む)。
作業自体は難しくありませんが、シャフト長の調整とエポキシの位置決めに時間をかけたほうが失敗が減ります。
急いで一気に終わらせようとせず、接着待ちの間は別の作業に切り替えるくらいの余裕を持って取り組んでください。
Q. 自作せず既製品を買うならどれが良いですか?
A. エレコムISTシリーズのベアリング支持ユニット搭載モデルが最も近い選択肢です。
ミネベアミツミ製ボールベアリングを純正搭載しており、M575にDIYで換装したのと同等の操作感が工具なしで手に入ります(エレコム公式・ミネベアミツミ発表、2026年8月時点)。
M575の分解に自信がない、または一度失敗して二度目に踏み切れない場合は、買い替えのほうが時間・リスクの両面で合理的です。
ここまでの手順・費用・注意点を整理して、換装するか買い替えるかを最後に判断できる形にまとめます。
まとめ — M575の引っかかりを根本解決するには
- ベアリング換装は掃除で戻らない引っかかりに対する根本解決策(ルビー摩耗が原因の場合)
- 必要パーツは内径2mm×外径5mmのベアリング3個・2mm真鍮シャフト・2液エポキシの3点
- M570用キットは形状違いで流用不可、M575は自作前提
- 費用は2,000〜3,000円、作業時間は分解から硬化待ちで半日〜1日
- 自作に自信がなければエレコムISTシリーズへの買い替えが安全な代替案
パーツはAmazonの検索リンクから、現在の在庫・価格・レビューを比較して選べます。
まずはベアリング本体から揃えていくとスムーズです。
参照情報源:
- Logicool ERGO M575 for Business データシート(https://www.logitech.com/content/dam/logitech/ja/business/pdf/ergo-m575-for-business-data-sheet.pdf)(参照日:2026-08-09)
- エレコム M-BS10 ベアリング支持ユニット製品ページ(https://www.elecom.co.jp/products/M-BS10.html)(参照日:2026-08-09)
- ミネベアミツミ プレスリリース ベアリング採用(https://www.minebeamitsumi.com/news/press/2023/1207038_17683.html)(参照日:2026-08-09)
- M570ベアリング化DIY記事(https://tonakai1070.com/m570_bearing)(参照日:2026-08-09)
- M575分解記事(https://junkya-tkg-a.com/logicool-ergo-m575-disassembly-of-mouse/)(参照日:2026-08-09)
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